研修

第4回 フジタの選び方~診療看護師 ver2~

大野孝生 助手

2021/07/18更新

皆様こんにちは。
藤田医科大学 救急総合内科です。
第4回になりました。「フジタの選び方」
今回は診療看護師編ver2です。
もともと働いていた看護師から診療看護師になるのはかなり大きな決意ですよね。
その決意をどうやってされたのか、非常に興味があるところです。
今回は当科に所属している3人の診療看護師の方にお話を伺ってきました。
今回も皆様の参考になれば幸いです。

~松田奈々先生の場合~

中央診療部FNP室に所属する救急総合内科配属の松田奈々です。
奈良県出身ですが、ソフトボール関係で石川(高校)・静岡(実業団)にも居たことがありました。
今後の生活に困らないようにという、顧問の計らいもあり病院が母体である実業団に入団し、看護師になったのが始まりです。
・・・別になりたい職業ではなく、やってみたら面白かったため続いており、さらに大学院にまで行って、現在は診療看護師(NP)として働いています。

看護師6年目の時
「認定や専門看護師そろそろどう?」
そう声をかけていただいたのは病棟師長
しかし、残りの30年をずっと皮膚、ずっと救急、ずっと小児、ずっと研究・・・どれにする?って言われても、決められませんでした。
どれも気が向かず、どれが良いのか分からなかったからです。
「なら、診療看護師(NP)は?」
そう声をかけていただき、診療看護師に興味を持ち始めました。

愛知県の某大学病院の大学院にすぐ、見学に行き資料を貰い帰りました。
しかし、ここでもまたやりたい気持ちが固まらずにいました。
「診療看護師(NP)目指すならICUを経験しなさい」
ここでも病棟師長の計らいで、、救命ICU異動となりました。
2年働いていますと、酒井さん(FNP一期生)が当時の職場にキャリアアップ講演をしにくるということで、聞きに行ってみました。
「かっこいいな、こんな先輩になりたいな。」とキラキラしている先輩方をみて、藤田にしようと思いました。

ある程度の規律はありますが、働き方が自由であると働いてみて思いました。
患者さんを早く診たいので、早めに出勤したり、緊急手術に入るために緊急呼び出しに対応したり・・・。
と、緊急時まで対応することにより、患者さんのキーポイントとなりそうなフェーズを見(診)逃さないことで、これこそが外来~退院までを一貫してみていると実感して、感動しました。

「先輩!先輩が大切にしている診療看護師のポリシーってありますか?」
災害外傷外科は多発外傷・熱傷・中毒など複数診療科領域に渡る患者さんが多いため、様々な診療科と関わることが多いです。
良い関係を積み重ねることにより、時には主治医不在時でも、他科がやってくれる手術助手として参加したり、処置にも入ることも受け入れてもらえるようになりました。
どの診療科の先生の気持ちも理解し、より良い治療を見出すため、常に気を張りコミュニケーションを間違わぬよう、主治医と他科の医師の間に入り、バランサー・仲介役を担っています。
このように、医師と医師の橋渡しももちろんですが、医師と患者との橋渡しも同様です。
診療看護師ならではですよね。
「場面・場面で、医師100%・看護師100%に自分の力を振り切ること」
その時に大事にしないといけないこと、必要とされている自分の能力を発揮するだけなのです。

「なぜ救急総合内科を選んだんですか?」
そう聞かれることも多々あります。
救急総合内科はER・災害外傷外科・救急整形・救命ICU・病棟(GIMチーム)とありますが、どこでも働けます。
すべて経験するもよし、一つを極めるもよし。選択肢が多い科だと思います。
私はすべての部門で働かせていただき、どこの部署も部署ごとに新しい学びが多くあるので、働き甲斐がありました。
FNP(Fujita Nurse Practitioner)を知っていただけること、それぞれの部門の内部事情や得意としているところ、大変さを共有できることが全ての部門を回り、良かったと思います。
私は、主に災害外傷外科に身を置いていますが、時には救急整形とのバイプレーヤーもこなし、救急外来に呼ばれればヘルプで行きます。
PICC(peripherally inserted central catheter)を依頼されれば病棟へも行きます。
救急総合内科の先生たちは、総合的に見ると和気あいあいとしているが、しめるところはしまっているイメージです。
何十人もいますが、皆でステップアップ・学びの共有といった仲間意識が強く、我々も良い刺激を受けています。
そういった、医療の幅広さを実感でき、なおかつ、志高い先生と共に仕事できることに感激し、救急総合内科を選びました。

FNPは医師との協働を基本理念に掲げ、多職種と連携し、より良い医療提供の一助となれるよう国家資格化を目指しております。私たちだけの力では難しく、山頂はまだまだ先です。
やる気やガッツはあります。
是非、一緒に同じ山頂を目指しませんか?

~大平 志帆先生の場合~

今年から救急科に所属となりました、FNP3年目の大平 志帆です。
大阪府箕面市出身で、救命センターのICUで勤務してきました。
3次救急であり、ドクターカーの出動率が多い救命センターでした。
外傷患者が多く搬送されるところであり、ECMOも同時に数台回るようなワクワクする現場でした。

看護はセンスです。あまり差が顕在化しない資格です。自分が行う医療の質を高め、患者さんへ還元できることを増やすためにNPコースを受験しました。

NPになり、元々外傷が好きなこと、日本は災害国であり有事に動ける人材になるため救急科を選択しました。
病院のような、資源も環境も整ったところではなく、プレホスピタルのような限られた資源と過酷な環境でも医療の質を担保出来るようになりたいと思い藤田医科大学病院を研修先に選択しました。
トロッカー挿入・抜去、挿管、外傷処置などが行えるのは貴重な環境だと思います。

藤田医科大学病院は診療科も多く、研修医の先生と同様に多くの診療科をローテーションすることになります。
研修時代にお世話になった先生と今でも関わることがあり、NPへの理解がある病院だと感じます。
私の所属する救急の先生方は、気軽に相談に乗ってくれるため安心して仕事ができます。
患者さん中心という絶対的信念のある当科であるからこそ、どんなに忙しくても患者さんに関することになるといつでも相談に乗っていただけます。
自分の考えが正しかったのかフィードバック、整合性が図れるというのは、学習者にとってまさに絶好な環境だと思います。

藤田医科大学病院は2021年4月高度救命救急センターに指定されました。
さらに外傷患者が増えるということにワクワクし、研鑽を積みたいと思っています。

~神﨑愛実先生の場合~

藤田医科大学病院 診療看護師3年目の神﨑愛実です。
診療看護師:Nurse Practitioner (NP)となり、2年のローテート研修を終え、今年度より救急総合内科/災害外傷外科に診療科を固定しました。

私は、看護師として当院の手術室6年・消化器外科病棟1年、その後、退職して単科の病院で手術室・病棟兼務1年働いていました。

当院退職後の病院では、術前に病棟で担当した患者様を術中・術後と担当させて頂き、入院~退院までの一連の経過を診ながら関わっていました。
病棟経験が浅いこともあり、自分が患者様に行っていることは本当にこれで良いのか?
「診療」「治療」について把握していたなら、患者様への関わりや働きかけがもっと違ったものになるのではないか?と思う毎日でした。
そんなある時、以前NPと働いていた経験のある医師よりNPの話がありました。
病棟経験が浅い私は手術室から一歩出たら知らないこと・分からないことがほとんど。
「私にできるのか…」
と悩みましたが、
「一度くらいは時間をかけて何かに挑戦する時があっても良いんじゃないかなぁ」
と思うようになりNPを目指すため1年で藤田の地に出戻りました笑。

もともと当院で働いており慣れた環境であったこともありますが、
私が藤田を選んだ理由として、
・大学病院とういうことで症例が様々
・医師から直接学ぶことができる
・早くからNPを導入しており、他施設に比べてNPの数が多い
・2年間のローテート研修を設けており、幅広い科で学ぶことができる
・教育の施設・環境が整っている                
というのが主です。

救急総合内科/災害外傷外科では、多発外傷や熱傷、中毒などの患者様が主となり、全身管理をはじめ、外科的処置や手術を必要とする場合があります。
多発外傷の症例では必要に応じて各診療科と連携して手術を行うこともあり、診療看護師はその助手として参加することもあります。
元手術室看護師の私としては血が騒ぐ場面でもあります笑。

手術室看護師:
「今何してるんだろ…。術野も見えないし。準備間に合わない…。何が要るんだろ?」
緊急手術ではこんな思いをしながら対応しているのではないかなと思います。
私もそうでした。
そんな経験から、現在は術前での医師との情報共有をもとに、手術室看護師とコミュニケーションを図り、術野の進捗状況が間近に見える立ち位置から、医師・看護師の動きを見て手術が安全・円滑に進むように努めています。

一方、病棟管理では、医師との協働の中で患者様の治療方針を把握し、患者様や看護師・コメディカルとの関わりから得た情報をもとに医師とディスカッションしながら日々の診療にあたっています。
多職種それぞれの視点を把握するように努め、各々に働きかけることで患者様へのより良い医療の提供に繋がればなと思います。

藤田救急はER-ICU-GIMと常に連携を図っており、日々のディスカッションや勉強会開催など、とても活気にあふれています。
研修医だけでなく、看護師・コメディカル・我々診療看護師に対しても、ユーモアを交えて熱心に指導・教育して下さる医師が多くいらっしゃいます。
私個人としても困ったことや相談したいことがあった際に、部署に関係なく親切・丁寧に対応して頂くことも多く、とても感謝しております。
そんな環境に身を置けることに喜びを感じつつ、日々学び、患者様や臨床現場に少しずつ返していけたらなと思います。

いかがだったでしょうか。
文章でももちろんのこと、実際働いてみると更にその情熱が伝わってきます。
情熱を燃やしたい方。現状になんだかもやもやとした閉塞感を感じている方。
是非当科に見学に来てください。
一緒にその情熱を燃やしましょう。

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