研修

内科専攻医と救急専攻医はこう選べ! 専攻医が語るプログラムの進路選択ガイド

~藤田で救急専攻医、内科専攻医を少しでも考えているあなたへ~

はじめまして、藤田医科大学病院救急総合内科です!

この記事を見ていただいているという方は、藤田の救急総合内科に興味をお持ちだと思います。

でも、実際《救急総合内科》って救急なの?内科なの?、一体どんなことをしている科なの?など疑問をお持ちではないでしょうか。

今後数回に渡りその疑問を解決できるような記事を、この春入職の専攻医が投稿していきたいと思います!

まず第2回目の記事は、「内科専攻医と救急専攻医はこう選べ!専攻医プログラムの進路選択ガイド」をお届けします。

救急や内科、generalistに少しでも魅力を感じている方、まだ診療科を決めきれていない方にも藤田の魅力についてお伝えします!最後までお付き合いいただけると嬉しいです。


〜はじめに〜

初期臨床研修医の皆さん、こんにちは!
2年目の先生は専攻医プログラムについて考える時期がやってきましたね。
今回は内科専攻医プログラムと救急専攻医プログラムの比較を通じて、皆さんの進路選択の一助になればと記事を作成しました。
藤田医科大学救急総合内科では、内科・救急どちらのプログラムも選択が可能です。
研修内容は各々の希望を伺いながら決定しますので、プログラムによる差別は全くありません。
少しでも気になったらぜひ見学のお申し込みを!


〜お品書き〜

内科専攻医プログラムとは?

救急専攻医プログラムとは?

専門医取得後の進路の違いは?

まとめ


内科専攻医プログラムとは?

内科専攻医プログラムは、基本的には研修期間3年で内科専門医を目指すプログラムです。
基幹施設、基幹施設以外(連携施設など)それぞれ1年以上の研修が求められます。
J-OSLERプログラムへ登録し、所定の修了要件[※]を満たすよう研修します。
[※] 症例登録(160症例)、病歴要約(29症例)、JMECC受講、所定の学術活動実施など

内科領域は非常に広範であり、外来、病棟管理に関わらず総合的知識を身につけることが必要になります。
そのためJ-OSLERプログラムでは内科系の幅広い各分野についての症例登録・病歴要約を提出することが求められます。
プログラム修了後に総合内科専門医試験を受験・合格することで総合内科専門医として認定されます。
その後、希望に応じてサブスペシャルティ領域(〇〇内科など)の専門研修を行うことが可能です。
専攻医プログラムによっては専攻1年目からサブスペシャルティに重点を置いた研修を行うことも可能となっています。

<内科専攻医プログラムのメリット>
幅広い疾患に関する知識を習得できる。
病棟・外来に関わらず内科医としての幅広い診療スキルを身につけられる。
サブスペシャルティ研修に進むことで専門領域の診療経験を積める。

<内科専攻医プログラムのデメリット>
サブスペシャルティ研修を含めると、研修期間が長期化する傾向にある。
J-OSLERの症例登録、病歴要約が比較的多数である。

当科では、大学病院で全国トップの症例数を誇る救急外来から多様な症例が総合内科病棟へと入院されます。
そのためJ-OSLERで必要な幅広い分野の症例も十分経験することができます。
また重症例についてはICU入院となりますが、こちらも同じ医局内で密に連携をとりながら診療にあたることが可能です。


救急専攻医プログラムとは?

救急専攻医プログラムは、基本的には研修期間3年で救急専門医を目指すプログラムです。
日本救急医学会の研修プログラムシステムへ登録し、所定の修了要件を満たすよう研修します。
[※] 症例登録(171症例)、所定の講習会(ICLSなど)受講、所定の学術活動実施など

救急医療は緊急時の医療であり、内因性疾患・外傷・中毒など原因に関わらず速やかな初期診療、各診療科との連携を通じて初期治療から根本治療に至るまで重要な役割を果たします。
さらに救急搬送(プレホスピタル)、災害時対応など地域全体の安全確保にも関わります。
プログラム修了後に救急科専門医試験を受験・合格することで救急科専門医として認定されます。

<救急専攻医プログラムのメリット>
軽症から超重症に至るまで緊急時の医療に携わることができる。
シフト制の場合はオン・オフがはっきりしたライフワークバランスに優れた働き方が可能となる。
初期診療から根本治療まで患者中心医療のリーダーシップを身に付けられる。
集中治療、外傷外科、行政、研究など専門家としての多様なキャリアを築ける。

<救急専攻医プログラムのデメリット>
シフト制の場合は勤務時間が不規則なことがある。
救急医療の特性上、予測不能なストレスの多い状況に直面することがある。

当科は豊富な指導医数・スタッフ数によりしっかりとシフト制を実現しており、育児をされながら勤務しているスタッフも複数いるライフワークバランスを大切にした職場です。
また、日勤帯だけでなく当直帯においても必ず指導医のバックアップがある環境で研鑽をつめるため、不測の事態においても相談できる体制が常に整っています。


専門医取得後の進路の違いは?

内科専門医の場合、内科医として病院やクリニックでの病棟・外来診療を行うことが一般的です。
特定のサブスペシャルティ領域の研修を行う場合は、内科系の専門診療科においてサブスペシャルティ研修を継続することが可能です。
以前から内科専門医の需要は慢性的に高いため、臨床・研究・教育・行政など安定したキャリアを築くことができます。

救急専門医は救急救命センターでの勤務や、救急医療の研究・教育に携わことが可能です。
特定のサブスペシャルティについては、外傷外科、IVR、集中治療、行政、保健衛生など幅広い進路選択が考えられます。
日本では米国にくらべ人口当たりの救急専門医数が少なく、救急専門医のニーズは非常に高いとされます。近年では女性の救急専門医も増加しており、ライフステージにあった働き方が可能なことも魅力となっています。


まとめ

初期臨床研修医の皆さんにとって、進路選択は重要な決断です。内科専攻医プログラムと救急専攻医プログラムは、それぞれ異なる特徴と魅力を持っています。
当科ではどちらのプログラムを選ぶにしても、一流の教授陣・経験豊富な指導医のもとで、ER、GIM(総合内科)、ICU、外傷診療といった幅広い領域での研鑽が可能です。
また、年々増加している当科専攻医数の影響もあり、オンオフのメリハリあるバランスの良い働き方を実現しています。

最終的な進路選択は、皆さんの興味や将来のビジョンに基づいて行っていただければと思いますが、少しでも興味があればぜひ当科への見学をお待ちしております。
皆さんが医師としての幸せなキャリアを築くことを心から応援しています!

【参考情報】
日本専門医機構
日本内科学会
日本救急医学会
※本記事の情報は2023年7月時点のものです。最新の詳細情報については各公式ウェブサイトなどで確認してください。


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