集中治療専門医
研修プログラム
救急外来を経由する重症患者を管理する救命ICUでは、内因性疾患(敗血症性ショック、ARDS、急性膵炎、急性肝不全、甲状腺クリーゼ、ギランバレー症候群)だけでなく、外傷や術後、中毒、熱傷まで幅広い疾患を管理する8床のclosed ICU。一流のジェネラリストを目指せる、充実した3年間。
修了後に身につくこと
人工呼吸器、血液浄化などの臓器サポートについてエビデンスに基づいた治療法を学ぶことができます。しかしそれだけでは患者さんは改善しません。
根本的な問題は何か?詳細な問診と身体所見に基づく的確な診断を学ぶことができることも特徴の1つです。
修了後の進路
さまざまな重症疾患を経験することで、重症患者に対する苦手意識がなくなり急変にも強くなります。どんな患者に対しても的確なマネジメントを提供することができ「大学病院や市中病院、僻地でも、どこでもやっていける」という自信がつきます。
プログラムの特徴
第一線で活躍する指導医による安全で手厚い指導
救命ICUの指導医陣は、集中治療はもちろん、内科学にも精通した経験豊富な医師ばかり。 第一線で活躍する教授をはじめとした優秀な指導医が常にいるから、重症な患者さんでも安全に研修を受けることができます。
by systemアプローチで
体型的な全身評価を学べる
重症患者さんは単一臓器だけでなく複数の臓器に障害を抱えており、まさに全身管理が必要。神経、呼吸、循環、腎臓、内分泌、感染症、皮膚、血液・・・と一人の患者さんをシステムごとに評価することで、漏れのない全身管理のトレーニングが可能です。
外部からの短期研修者も多数
切磋琢磨できる仲間・チーム
救命ICUには、当科のローテータだけでなく全国から多くの専行医の先生方が短期研修に来てくれています。志高い仲間達と共に学ぶこの時間は、かけがえのない財産です。またコメディカルと一緒に診療にあたることで倫理観や幅広い視野も身につきます。
プログラムの一例
- 救命ICUに入院している患者さんをチームの一員として管理します。 その日に担当患者が割り振られますので、自分が担当した患者を診察し、検査所見などを踏まえて点滴や検査のオーダーを出します。それらを指導医のチェックを受けながら修正します。 カルテにはプロブレムリストだけでなく、by systemアプローチに基づいた全身把握についても記載し、これも指導医のチェックを受け適切なフィードバックを受けます。
- エビデンスに基づいた全身管理を実践し、後輩に指導できるようにトレーニングを継続します。また、ICUの患者さん全員の把握をすると共に、ICU当直が一人で行えることを目標とします。
希望に応じて他施設への外部研修も可能です。
スケジュール
前日の当直者から、夜間の新入院患者さんや、既存の患者さんについてのイベントなどを報告を受けます。それを通して、本日の方針を決定します。
チーム全員で回診し、身体所見をとり検査所見を参考にして、現在の病状をチェック。本日の方針を再度確認します。
カンファレンスと回診で決めた方針に従って、翌日のオーダーを出します。病状は刻々と変わるため、オーダー内容もその都度変わります。
その後は受け持ちの患者さんのカルテをまとめ、病態を整理します。
チームで集まり、その日のイベントと患者の状態を共有し、その日の当直者に引き継ぎを行います。
指導医によるレクチャーがあります。ARDS、蘇生後脳症、栄養管理、脳波の見方など、集中治療に欠かせない知識ばかりです。
指導医からのアドバイス
ICUでは時間の制約の中で様々な病態の極限状況に直面し、多くの課題に取り組みます。しかし、そこからの学びが診断と治療の両輪を適切に回す臨床力に繋がります。個人としてもチームとしても共に成長し、患者さんにより良い治療を提供できるよう励んでいます。
神宮司 成弘 救急医学・総合内科学講座 准教授教授や指導医の想い・人となりを紹介しています。
詳しくは以下でご覧ください。
各種勉強会
系統的レクチャー
集中治療を行う上で必須な知識について、指導医からレクチャーがあります。
月2回程度の頻度で開催しており、通年で最新の知識をアップデートすることができます。
過去の内容:ARDS、急性腎障害(AKI)、腎代替療法(RRT)、脳波、蘇生後のケア、倫理、予防etc…
コアレクチャー
ともに超一流医師として活躍する植西教授(TV番組「Dr G」に出演)、船曵教授によるレクチャーを年間通じて受けられます。音声つき動画を医局員限定で配信しており、当日参加できなかった医師も後日復習が可能です。
<植西教授>
「ショック」「低ナトリウム血症」「副腎不全」「急性腎障害」「人工呼吸器」など
<船曵教授>
「外傷」「画像読影」「プレホスピタル」など
論文の読み方
当科大学院生を中心に開催している勉強会です。「RCT」「SR」「コホート研究」「症例対照研究」など、寺澤教授(研究のspecialist)の指導のもと、文献をどのように読むかを系統的に学習します。
待遇
- 給 与
- 308,568円/月(週 37.5時間の場合、みなし固定残業手当(残業25時間 /月 相当を含む))
※別途規定により、諸手当を支給
- 賞 与
- 年2回(2024年度実績 5.0ヶ月)
- 手当
- 超過勤務手当(みなし固定残業手当を超えた場合に、差額を支給)
住居手当(上限24,000円/月)、通勤手当(上限50,000円/月)
- 福利厚生
- カフェテリアプラン(選択型福利厚生制度)2023年度55,000円/年
私たちはワークライフバランスにも取り組んでいます。
具体的な福利厚生や環境は以下をご覧ください。