救急科

高度救命救急センターとしてあらゆる疾患を受け入れるERを救急総合内科と共に展開。
さらにプレホスピタルにも力を入れ、救えるいのちを一つでも多く救う。藤田医科大学病院の救急医療について船曵教授が語ります。

高度救命救急センター長 救急科教授 船曵 知弘

高度救命救急センター長
救急科教授
船曵 知弘

Why

臓器別の専門科では難しい
幅広い対応が求められる

救急に訪れる患者さんは、診断名をぶら下げて来院するわけではなく、何らかの訴えをもって受診します。訴えや病歴、身体所見、検査所見などの情報から診断の糸口を探り、状態を改善していくためには、臓器別の専門科だけでは対応できない幅広い知見が求められます。それが救急診療のやりがいであり、チカラの見せどころだと思います。

また、救急診療において、画像診断の質の向上は非常に大きな意味を持ちます。ただ、画像診断は上級医から経験的に指導されるのが一般的であり、幅広い診断能力を一朝一夕で修得するのは困難です。当院の場合、救急車搬送件数は他に類を見ない量であり、非常に多くの学びの機会を得られるのが特長です。

「総合医は、地域の基幹病院や大学病院にも欠かせない存在」イメージ
How

より多くの命を救うため
病院前診療の技術向上を図る

私は、救急隊員・救急救命士の教育を通じて、病院前診療に深く関与してきました。救急救命士が十分な処置を行うことができない日本において、いち早く治療を開始するためには病院前診療に携わることが必要です。また、ドクターカーやドクターヘリで重要なのは、根本治療できる場所(病院)への到着を遅らせないこと、到着するまでに必要な喫緊の処置を迅速に行うこと、だと考えています。

ドクターカーであっても、ドクターヘリであっても、考え方は同じです。根本治療が可能な病院への到着を遅らせないために、時間を短縮すべく考えながら行動できるように努めることができればと思います。そのため当科では、一人ひとりのスタッフが指導医と乗務経験を積み重ね、振り返りを行うことで技術向上を図っています。

「異質な仲間たちとの出会いが興味の幅を広げてくれる」イメージ
What

常にハイパフォーマンスを
発揮できるシステムを作る

救急診療には、一人のスーパーマンはいりません。24時間365日、いつも変わらないハイパフォーマンスを示すためには、システムとして確立することが重要です。どのようなときにも同じレベルの診療ができるような体制づくりが求められていると思っています。

システムを成立させるためにも、すべてのスタッフが、どのような救急患者であっても同じように診療できる教育を行うことが今の目標です。また、個人の存在価値を高めることも重要な課題だと考えています。それぞれが思い描いたサブスペシャリティを伸ばせるように配慮しながら、組織のさらなるステップアップを計画していきたいと思います。

高度救命救急センター長 救急科教授 船曵 知弘

「パンデミックにも迅速に対応育休取得率の高さも特徴」イメージ